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『獣になれない私たち』が途中打ち切りだったと確認できる事実はありません。2018年10月10日から12月12日まで全10話が放送されています。
初回視聴率11.5%から最終回8.3%へ下がったのは事実ですが、低視聴率と話数短縮は別問題です。最終回の内容や同じ水曜22時枠の話数まで含めて、打ち切り説を検証します。
『獣になれない私たち』は打ち切りだった?全10話を放送して完結
『獣になれない私たち』について、視聴率不振によって途中打ち切りになったと確認できる事実はありません。
新垣結衣さんと松田龍平さんがダブル主演を務めた本作は、2018年10月10日に第1話がスタートし、12月12日に第10話の最終回を放送しました。
放送実績としても、期間は2018年10月10日~12月12日、全10回です。
第10話は正式に最終回として扱われ、物語も深海晶と根元恒星をはじめとする主要人物の選択を描いて幕を閉じています。
ここで慎重に分けたいのが、次の3点です。
- 全10話で放送を終了したことは確認できる
- 視聴率が初回より低下したことも確認できる
- しかし「視聴率不振で予定話数を減らした」という事実までは確認できない
つまり、「10話で終わった」「視聴率が低かった」という2枚のカードだけを並べても、間に「だから短縮された」というカードは出てこないんですよね。
会社員の世界でも、業績が振るわなかった案件と、予定を切り上げて強制終了した案件はまったく別物です。
なお、制作内部の初期企画書などが公開されているわけではないため、逆に「企画段階から絶対に10話予定だった」とまで言い切るのも避けるべきでしょう。
現時点で事実に沿った表現をするなら、「全10話を放送して完結しており、途中打ち切りだったと裏付ける材料は確認できない」が最も妥当です。
作品は脚本を野木亜紀子さんが担当。
新垣結衣さん演じる深海晶は、周囲へ気を遣いすぎて仕事も恋愛も抱え込んでしまう会社員です。
一方、松田龍平さん演じる根元恒星は、一見すると世渡り上手な会計士ですが、人を簡単には信用せず、自身も家族や仕事上の問題を抱えています。
晶の恋人・花井京谷を田中圭さん、京谷の元恋人・長門朱里を黒木華さん、恒星の元恋人・橘呉羽を菊地凛子さんが演じました。
このドラマは、単純に「晶と恒星は付き合うのか?」だけを追うラブストーリーではありません。
仕事でも恋愛でも本音を言えず、自分をすり減らしてきた大人が、自分の人生を自分で選べるようになるまでの物語として見ると、最終回の意味もかなり分かりやすくなります。
なぜ『獣になれない私たち』に打ち切り説が出た?主な背景は視聴率
打ち切り説が生まれた主な背景の一つは、初回から視聴率を落とし、全話平均も一桁だったことだと考えられます。
全10話の平均世帯視聴率は次のように推移しました。
話数 視聴率
第1話 11.5%
第2話 8.5%
第3話 8.1%
第4話 6.7%
第5話 8.3%
第6話 10.0%
第7話 8.6%
第8話 9.9%
第9話 7.1%
第10話 8.3%
全10話平均 8.7%
初回は11.5%と二桁でスタートしましたが、最終回は8.3%。
平均は8.7%でした。
数字だけを見れば、放送前の注目度に対して苦戦した作品だったとはいえます。
ただ、第4話の6.7%については少し事情があります。
2018年10月31日の第4話は、プロ野球日本シリーズ中継の延長に伴い、通常の22時開始ではなく23時15分からの放送となりました。
水曜の夜23時15分です。
翌日も会社へ行く身としては、「晶の仕事より先に私の睡眠時間がブラック企業化している」と言いたくなる時間帯ですよね。
したがって、最低視聴率6.7%だけを抜き出して作品人気を判断するのは慎重であるべきでしょう。

もう一つ大きかったと考えられるのが、放送前に想像された作品像と、実際の内容とのギャップです。
新垣結衣さんと野木亜紀子さんは『逃げるは恥だが役に立つ』でも知られた組み合わせ。
そこへ松田龍平さんとのダブル主演ということで、テンポのいい大人のラブコメを期待した人も少なくなかったでしょう。
ところが、いざ第1話が始まると晶の職場がしんどい。
晶はECサイト制作会社で、本来の担当以上の仕事を背負い、社長の九十九剣児から次々に仕事を振られても笑顔で対応します。
第2話では、ついに業務分担の改善要求まで突きつけることになります。
恋愛も癒やし枠ではありません。
京谷には元恋人・朱里との問題が残っており、恒星にも兄との確執や不正会計に関係する重い事情があります。
つまり、疲れた水曜夜に気軽な恋愛ドラマを期待したら、仕事・恋人・元恋人・家族・不正会計まで盛られた「大人の息苦しさ全部乗せ」が出てきたわけです。
刺さる人には猛烈に刺さります。
一方で、「テレビくらい現実逃避させてください」と感じた視聴者がいたとしても不思議ではありません。
ただし、ここでも区別すべきなのは、作風への賛否と打ち切りの有無は別ということです。
視聴率が伸びなかった理由を考える材料にはなっても、それだけで話数短縮の証拠にはなりません。
全10話は短すぎた?2018年の水曜22時枠と比べても異例ではない
全10話という話数そのものも、「予定より短縮された」と疑うほど異例ではありません。
ここは打ち切り説を検証するうえで、かなり重要なポイントです。
『獣になれない私たち』が放送された2018年の同じ水曜22時枠を見ると、1月期の『anone』は第10話が最終回。
4月期の『正義のセ』も第10話まで放送されています。
さらに7月期の『高嶺の花』も第10話で終了しました。
そして10月期の『獣になれない私たち』も全10話です。
つまり2018年の水曜22時枠は、
- 『anone』:全10話
- 『正義のセ』:全10話
- 『高嶺の花』:全10話
- 『獣になれない私たち』:全10話
という並びでした。
これはかなり分かりやすい材料です。
もちろん、これだけで『獣になれない私たち』が「企画当初から10話だった」と証明できるわけではありません。
しかし少なくとも、同じ年の同じ枠で10話完結が続いている以上、「10話しかないから短縮されたはず」という推測は説得力が弱くなります。
もし周囲の作品が軒並み11~12話なのに本作だけ8話で突然終了していたなら、「何かあったのでは?」と疑う余地は大きくなります。
ところが実際は、同枠の他作品と同じ10話。
会社の部署で全員が定時退社している日に一人だけ18時で帰っても、「あいつだけ早退した!」とは普通なりません。
これまでの記事で「打ち切り情報が見つからない」という消極的な確認だけをすると、どうしてもモヤモヤが残ります。
一方、同枠の通常話数と比較しても10話が特別短いわけではないと分かると、打ち切り説を判断する材料は一段強くなります。
さらに本作は放送終了後、第56回ギャラクシー賞の奨励賞にも選ばれています。
リアルタイム視聴率だけで誰にでも広く支持された作品ではなかった一方、作品としての内容には放送後も評価が与えられたわけです。
ここも「視聴率が伸びなかった=失敗作=打ち切り」という一本線では説明できない部分でしょう。
最終回はどうなった?晶の退職と恒星の決断まで描かれた
第10話では、晶が自分を消耗させてきた会社を辞め、恒星も不正との関係から逃げ続けない道を選びます。
最終回直前、晶は九十九社長の社員を大切にしない働かせ方へ抗議します。
しかし九十九からは、晶がいなくても会社は回るという趣旨の言葉を返され、深く傷つきます。
一方の恒星も、家族を救うことから始まった粉飾決算への加担を終わらせようとするものの、簡単には抜け出せません。
追い詰められた晶と恒星は、第9話で一夜を共にします。
ところが『けもなれ』は、ここから「はい、最終回で恋人になってめでたし」と一直線には進みません。
2人がクラフトビールバー「5tap」で話そうとしても、松任谷夢子や上野発、さらに京谷まで現れて大混乱。
呉羽も、自身をめぐる騒動と夫・橘カイジとの関係について大きな決断をします。
そして晶は会社へ戻り、九十九に自分の意思を伝えて退職届を提出します。
恒星も、自分を縛ってきた不正へ向き合い、告発する方向へ踏み出します。
この2人の選択は、打ち切り説を考えるうえでも重要です。
晶が10話かけて抱えていた最大の問題は、「恒星と恋人になれるか」だけではありませんでした。
仕事を断れない。
嫌われたくないから笑う。
恋人にも強く言えない。
周囲が望む「感じのいい人」を続けるため、自分の気持ちを後回しにしてしまうことでした。
恒星も、毒舌で世の中を冷めた目で見ているだけの男ではありません。
兄や家族の問題を抱え、仕事では不正に巻き込まれ、自分自身も身動きを取れなくなっています。
そんな2人が最終回で、他人に決められた場所から自分の意思で動き出す。
物語の中心テーマには、かなり明確な着地点があるんですね。
急な打ち切り作品で見られる「主要な問題を放置したまま突然終了」という印象とは性質が違います。
すべてを説明しない最終回ではありますが、説明しないことと、描き切れていないことは同義ではありません。
晶と恒星は最後に付き合った?教会の鐘と手つなぎを検証
晶と恒星は最終回で交際を言葉にして確定させません。ただし、2人が新しい関係を自分たちで選ぶことを示すラストになっています。
最終盤、晶と恒星は一緒にクラフトビールを飲み、教会の鐘を聞きに向かいます。
この「鐘」は最終回で突然出てきたアイテムではありません。
第2話には、呉羽が恋に落ちた際の感覚を「鐘」に重ねるくだりがありました。
当時、一目ぼれの経験がない晶と恒星には、その感覚がよく分かりません。
そのモチーフが第10話で再び登場します。
教会で鐘を待つ2人。
最終的に晶が恒星の手を取り、恒星も応じて、手をつないだ状態で物語は幕を閉じます。
「で、付き合ったんですか?」
と聞きたくなるのは当然ですよね。
恋愛ドラマの最終回なら、交際開始日をExcelに入力するくらい明確な答えが欲しいところです。
ただ、私はこの曖昧さを「尺が足りなかった結果」と見るより、作品のテーマに沿った選択と考えるほうが自然だと思っています。
晶も恒星も、ずっと外から与えられた正解に苦しんできました。
「職場ではこう振る舞うべき」
「恋人ならこうすべき」
「幸せならこう見えるはず」
そんな枠の中で身動きが取れなくなった2人です。
だから最後に重要なのは、「鐘が鳴ったから運命」「正式に付き合うと言ったから正解」という判定ではありません。
鐘が聞こえるかどうかに関係なく、自分たちが一緒にいたいなら手をつなぐ。
その行動自体が、10話かけて「獣になれなかった」2人の変化を表しているように見えます。

この構造を考えると、第2話で提示した鐘のモチーフを最終回へ戻している点も見逃せません。
途中で突然切られたというより、序盤に置いたテーマを終盤で回収する設計になっています。
「恋人になりました」とテロップを出さなかったから余白は残る。
しかし、物語として何も答えず終わったわけではないんです。
クランクアップコメントと受賞歴から何が分かる?
出演者のクランクアップ時の様子にも、急な途中終了を裏付けるような材料は見当たりません。
新垣結衣さんは撮影を振り返り、晶という役が序盤は想像以上にしんどかったと語っています。
九十九に怒られたり怒鳴られたりする場面も多く、セリフを覚えることさえつらく感じる時期があった一方、最終話を撮り始めるころには「あと2、3話やってもいい」と思えるほど役への気持ちが変化したという趣旨のコメントを残しました。
この発言はなかなか興味深いですよね。
ただし、使い方には注意が必要です。
「あと2、3話やってもいい」
↓
「本当は12~13話予定だった」
という意味ではありません。
それは完全に別の話です。
新垣さんが語っているのは、晶という役を演じる心境が変化したということ。
編成上の予定話数を証言したものではありません。
一方、少なくとも「突然終了を知らされ、物語を慌てて畳んだ」と読み取れるコメントでもありません。
松田龍平さんもクランクアップ時に、5tapや恒星の事務所など思い出深い撮影場所を振り返り、スタッフの作品への熱意に触れています。
そして作品は放送後、第56回ギャラクシー賞奨励賞に選ばれました。
ここから言えるのは、「視聴率が高くなかったにもかかわらず、作品そのものまで一律に低く評価されたわけではない」ということです。
視聴率はテレビドラマを見るうえで重要な指標ですが、唯一の成績表ではありません。
特に『けもなれ』のように、職場での搾取、人間関係の息苦しさ、自分らしい生き方といったテーマをじっくり描く作品は、「広く気軽に見られるか」と「作品として評価されるか」が一致しない場合があります。
私はここに『けもなれ』らしさがあると思っています。
数字のグラフだけを見ると少々しょんぼり。
でも作品を10話通して見ると、「数字だけで片付けるにはずいぶん面倒くさいドラマだな」となる。
その面倒くささこそ、たぶん褒め言葉なんですよね。
考察|なぜ今も「獣になれない私たち 打ち切り」と検索されるのか
ここからは私見です。
私は、『獣になれない私たち』の打ち切り説が残った理由を、単純な低視聴率だけでは説明できないと考えています。
視聴率の苦戦に加え、最終回が「分かりやすい恋愛の正解」を提示しなかったこと。この2つが組み合わさった影響が大きいのではないでしょうか。
視聴者がドラマを見終えて、
「え、これで終わり?」
と感じる。
そのまま検索すると、
「初回11.5%」
「平均8.7%」
「最終回8.3%」
という数字が目に入る。
すると頭の中で、
「終わり方が曖昧だった」
+
「視聴率が低かった」
=
「打ち切られた?」
という物語が完成しやすいんです。
でも、実際に確認できる材料を並べ直すと印象は変わります。
全10話を放送。
同じ2018年の水曜22時枠でも『anone』『正義のセ』『高嶺の花』がすべて全10話。
第10話では晶の退職、恒星の不正との決別、呉羽をはじめとする周囲の人物の変化まで描写。
序盤から置かれていた「鐘」のモチーフを最終回へ戻し、晶と恒星が自分たちの意思で手をつなぐ。
さらに放送後には第56回ギャラクシー賞奨励賞に選ばれています。
この材料を見る限り、「低視聴率だったから10話へ短縮された」と断定するには、肝心の因果関係を示す証拠が足りません。
そして私は、最終回のポイントは恋愛の決着以上に、晶と恒星が「自分で選べるようになった」ことだと考えています。
第1話の晶は、誰からも愛される人でいるために笑顔を崩せませんでした。
能力があるから仕事を任される。
断らないからさらに任される。
頑張るほど仕事が増えるという、会社員には妙に見覚えのある無限ループです。
そこから第10話では、自分を消耗させてきた環境へ「もう従わない」と意思を示します。
恒星も同じです。
世の中を斜めから眺めて何でも分かったように振る舞いながら、実際には家族と不正の問題に縛られていた。
その恒星も最後には動きます。
そして2人は、誰かが決めた「恋愛の正解」に従うのではなく、自分たちで手をつなぐ。
「獣になる」とは好き勝手に暴れることではなく、自分が本当にどうしたいのかを自分で選ぶことだった。
私はそう読むと、退職、不正への決着、教会の鐘、最後の手つなぎが一本につながると感じます。
もちろん、「晶と恒星のその後をもっと見たかった」という感想は別です。
私も第11話があるなら普通に見たいです。
有給申請より素早く録画予約します。
ただし、「続きを見たい」と「途中で終わった」は同じではありません。
ここを切り分けることが、『獣になれない私たち』の打ち切り説を判断するうえで最も大切でしょう。
まとめ|『獣になれない私たち』は全10話、途中打ち切りだった事実は確認できない
『獣になれない私たち』は、2018年10月10日にスタートし、12月12日の第10話で最終回を迎えました。
視聴率は初回11.5%、最低6.7%、最終回8.3%、全10話平均8.7%。
数字の面で苦戦した作品だったことは確かですが、視聴率不振によって予定話数を削減したと確認できる事実はありません。
さらに、2018年の同じ水曜22時枠では『anone』『正義のセ』『高嶺の花』も全10話。
そのため、全10話という話数自体も「短縮された作品だから異様に短い」とはいえません。
最終回では晶が会社を辞め、恒星も不正との関係から逃げずに動き出します。
そして第2話から登場していた教会の鐘というモチーフへ戻り、晶と恒星が手をつないで物語は終了しました。
交際を言葉で確定しなかったことで、「これで終わり?」と感じた人はいたでしょう。
そこへ一桁視聴率という情報が重なり、打ち切り説につながった可能性はあります。
しかし実際の物語は、恋愛の答えには余白を残しながら、「自分の人生を自分で選ぶ」という中心テーマには着地しています。
放送後には第56回ギャラクシー賞奨励賞にも選ばれました。
したがって、『獣になれない私たち』は「視聴率では苦戦したドラマ」とはいえても、現時点の確認材料から「低視聴率で途中打ち切りになったドラマ」と断定するのは適切ではないというのが私の結論です。
鐘が鳴ったかどうかまで答え合わせしてくれなくても、最後に2人は誰かに命令されたわけでもなく、自分から手をつないだ。
その少し不器用な終わり方こそ、『獣になれない私たち』らしい最終回だったのではないでしょうか。
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よくある質問
『獣になれない私たち』は本当に打ち切りだったのですか?
途中打ち切りだったと確認できる事実はありません。
2018年10月10日から12月12日まで全10話が放送され、第10話が最終回として扱われています。視聴率不振によって予定話数を短縮したと確認できる発表もありません。
『獣になれない私たち』の視聴率は何%でしたか?
初回は11.5%、最終回は8.3%、全10話の平均は8.7%でした。
最低は第4話の6.7%ですが、この回はプロ野球日本シリーズ中継延長の影響で23時15分から放送されています。
最終回で晶と恒星は付き合ったのですか?
「付き合おう」と明確に交際を宣言する場面はありません。
最終盤では2人が教会へ鐘を聞きに行き、晶が恒星の手を取り、恒星もそれに応じます。交際の名称を確定するより、2人が自分たちの意思で新しい関係へ進むことを示したラストと解釈できます。

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